意識して生きる

運命と宿命。命を運ぶと書く運命と、命を宿すと書く宿命。どんな選択をしようとも既に決まっているのか?それとも選択の余地はあるのか?どのみち、人生は生きると同時に死へと続く道であることは間違いない。生死は隣り合わせ。誕生と同時に、終わりがくることは宿命づけられている。

はじめから終わりの間、どのような人生という道を歩いていくのか。喜怒哀楽があり、悲喜こもごもに、様々な出来事から感情が刺激される。辛い感情は受け入れるのが辛いものだ。どうにかして逃げたいと思うのが人情だ。
辛い、苦しい。そんなことは経験しない方がいいという人もいる。ひねくれてしまうとか、他人に無理強いするからとか、確かにそのような側面もあるだろう。では逆に、喜びの経験ばかりしたいのが世間の望みだが、麻薬と同じで、喜びばかりでは喜びを感じづらくなっていく。
人生にはスパイスが必要だ。そのスパイスをより深く味わうのに、意識して生きることが活きてくる。いま、自分は何を感じているだろうか?
考えはすぐ言えても、感じていることを表現することに慣れていないから、自分が何を感じているかもわからなくなっている。
会いたい人に会えなかったとする。最初、寂しいとか切ないとかの感情がおこったとする。そういう感情は嫌だと思っていると、その感情を消すために思考は動き出す。しょうがないとか、今は時期ではない、相手がどうしようもない人間だとか。すると、段々感情がいつの間にやら怒りに変わったりする。
はたまた、寂しいけど、何か意味があるに違いないと自分に返していく思考もできる。人を責めずに自分を責め続けてしまう場合もある。どちらも良い悪いではない。
いずれにしても、感情は思考とともに揺れ動きつつ変わっていく。嫌な感情でも好きな感情でも、
・嫌な感情から逃げたいと考えるか、
・好きな感情をできるだけ長く続けたいと考えるか、
思考を始めて、感じることより考えが優先になっていく。
感情は、いましか感じられない。落ち着いて自分の内面との対話をすることで、感じることができる。
「いま、悲しみや切なさを感じているなぁ。会いたいなぁ」と。感じていると、連想が起きる。幸福な感情へと連想するか、不幸な感情へと連鎖するか、それは自分の意識次第。
鍵は自分にある。良いときも悪いときも、そこから逃げたり、より追い求めようとせずに、自分が感じていることを感じる。何でもないときでもできる。
手を動かしているのを感じる。ゆっくりと呼吸を感じる。ゆっくり歩いて、全身の動きを感じる。感じるようにすると、意識の動きを感じる。どんな体験も無駄がない。せわしない時代だからこそ、ゆっくりと自分と対話する。たまに気がついたときにするだけで、そのときの体験がより味わえる。それが食事中なら、より味わえる。
意識するとは集中することでもある。本当に真の喜びを味わいたいなら、悲しみや苦しみも逃げずに味わうことで、感情が引き立つ。喜怒哀楽を思い切り感じることで、魂に刻まれるものがある。
うまくいっているときこそ、感謝できるか?
うまくいってないときも、感謝できるか?
自分の思い通りのときは、自分の力を過信して自己満足が優先しがちだ。
自分の思い通りにいかないときは、相手や環境のせいにして、自分ではない他者を責めがちだ。
そこに良い悪いはない。どんな感情も感じられるのが幸せではないか?不感症だとしたら?ロボットになってしまう。好きとか嫌とかも、表面上のさざ波のようなものだ。深い部分ではつながっていると信じている。
想える相手がいることにそもそも感謝だ。心も、体という相棒がいるからこそ感じられる部分がある。心は感じることで育っていく。その心が感じたことを魂がもつ意識の力で頭を誘導するのだ。魂が心を使って感じようとすればするほど、頭にとっても学びが深くなる。
自分をもっと感じられたら、他人のことも感じられる。逆もまた真なり。他人の感情を感じたら、自分の感情も感じる。つながっているのだから、自分のためも相手のためもなくなってくる。
意識することで、その対象とつながりを感じられる。新しいゆいまーるが生まれてきている。見返りのない、相互扶助、お互い様の精神が、心と社会を豊かにする。意識して、つながりを感じて自然と広がっている。

「意識して生きる」への3件のフィードバック

  1. 理解できます。
    悲しいとか、寂しいとか、嬉しいとか、感謝ですね、とか。
    大事ですよね。
    言葉とか体で表現することって。
    見る人は見てますから。
    「霊を憎んで人を憎まず」、素敵な言葉です。
    “皆が自身の利権に終始していては、本質を見失う。”
    『攻殻機動隊 S. A. C. 2nd GIG 第16話』
    当時は不思議だったことも今では見えてきます。
    読売福祉文科省。
    一度は闇に飲み込まれた彼が人生を再起するために得た希望。つかめたと思ったら現れた正体不明の駒。
    翻弄され試される本心。
    救いたいのは自分か、他人か。
    3週間をめぐる迷走の中、男は答えを得る。
    あいつはいらない、と。
    悪魔にとりつかれた人間は、自分よりも弱い人間を救うと自分に災いが降りかかると錯覚する。
    男は保身の為に、青年を追い出した。
    青年は死に物狂いであの世から這い上がってきた。
    なぜなら、同じように消された者たちの声が聞こえたからだ。
    男は人生の決断を迫られる時になると、無意識に青年を必ず見捨てたことを思い出す。
    男には中途半端な権力、食うに困らない金、下劣な品性が与えられた。
    なぜうまくいかないのか、答えが見えない。
    でも、昔のように俺を責めるものは少なくなった。
    男は悪魔にとりつかれ、罪を罪と認めることもできなくなっていた。
    彼から神は絶たれた。
    青年の復讐は、男に神との断絶と永遠の死を与えることによって完成された。
    あの世から帰ってきて感じたこと。
    『世にあるもので私を満足させるものは一つもない。
    食事、睡眠、人との会話。
    どれも真の喜びを表すことはできなかった。
    正義こそがすべて。
    理こそ喜び。』
    “麻雀は待つゲーム。目先のことだけ考えてあれこれ動くと相手にやられる。運が向くのを待つ。振り込まないのが鉄則。誘惑に負ける奴とルールを知らないのに参加する奴はカモ”
    『インベスターZ 第1話』
    青年は感謝していた。
    男達にokinawaでカモにされたことを。
    この問題が彼らだけの問題ではないことを。
    だから、社会に責任をとってもらうとしよう。
    これからぼくたちが創る社会に。
    ぼくの後ろにいる民を迷わせた罰を。
    知らなかったでは済まされない。
    たった一枚の紙切れの意味を、残りの人生全てをかけて理解してもらう。
    だが、男からは罪を感じる感性を奪った。
    故に、彼は永遠に悟ることがない。
    だから、地獄。
    地獄はあの世にあらず。
    奈落に底はない。
    永遠の地獄。
    男といるものは世においてこれ以上栄えることはない。
    神に絶たれたものは、地を這うしかないからだ。
    今までもそうしてきたように、ただあの世だけに思いを馳せ、
    幻に一生を費すがよい。
    “つまり、俺は試されてる。途中であんたを見捨てるか否か。きっとそいつも、勝敗を握る鍵の一つなんだ”
    『PSYCHO-PASS サイコパス 第10話 「 メトセラの遊戯」』
    “団結すれば助かる、分裂すれば倒れる、まだ授業で教えてなかっ たっけ”
    『悪の教典』
    主人公であろうが、適役であろうがどちらの復讐にも意図があり、正義がある。
    どちらか片方の正義を美化し、もう片方を非難するのは違うのではないのだろうか。
    同様に、近くにいる者を厳しい目で見て、遠くにいるものを憐れむのもまた筋違いというものだ。
    愛は誠に深く求めるものに開いてくださる。
    芸術は素晴らしい!
    “やったら やり返される”
    『シャーマンキング』

  2. 耳がきこえない男の子がないていました。うわーーあーーーと
    親は、「なんで泣くの?!こんなお祭りの日に!!」と両親ともその子を責めてました。
    そうしたら、近所のおじさんがやってきてその子のことを思いっきりだきしめてやりました。ぽんぽんと。
    男の子は、落ち着いて泣き止みました。
    おじさんは、「子供が泣いてるときはな!!だきしめてやるだけでいいんだよ」と言いました。
    おじさんは、祭りに戻る道中で「たぶん、太鼓だょ、耳が聞こえないから、どーんどーんという太鼓の音が嫌なんだと思う。振動がして、嫌で仕方なかったんだ。あれじゃ、親が悪いよ」と言っていました。
    子供も、親も、人間は、みな
    自分や相手のことを、まずは抱き締めてあげることがとても大切なのだと、
    尾関さんのブログで、思い出して、改めて感動しました。
    ありがとう。

  3. すごく久しぶり!尾関さんが本当に元気で歩んでいるんだ!こんな存在だけでありがたい!ブロッグで再会できて、嬉しい!
    全部繋がっているんだなあ。。。『意識することで、その対象とつながりを感じられる。新しいゆいまーるが生まれてきている。見返りのない、相互扶助、お互い様の精神が、心と社会を豊かにする。意識して、つながりを感じて自然と広がっている。』いう、本当にそうだ!心が豊かになり、強くなるつながりなんだ!
    感謝!

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