情報が出てくるときには飽和状態

世界の投資家にとって、ドバイは堅実な花形投資先であった。その逆に、北朝鮮はハイリスク・ハイリターンの投資先であった。投資とは、そのリスクの大きさによってリターンが決まってくるものだ。

しかし、昨今では投資家からのファンドに対する要望として、ローリスク・ハイリターンを求める声が多くなってきた。そんなことあり得るはずがないのに。しかし、ファンドも商売だ。口八丁手八丁の営業文句により、集められるだけ集め、後は額面割れしようが、

「預かってやってるんだから感謝しろ。自己責任だろ。」と思っているのが現実なのだ。

本来であればドバイは堅実なローリスク・ローリターンの投資先である。今までの金融工学的常識では、ポートフォリオを組んで資産を分配投資する一環で、ローリスク・ローリターンのドバイ、ハイリスク・ハイリターンの北朝鮮、の両方に投資するのが理論的に当たり前の世界であった。

しかし、今回の北朝鮮のあり得ない出来事によって、連鎖反応が起こり、堅実なドバイまでも潰れてしまった。これは、もうすでに今までの常識の投資の仕方では世界で通用しないということが証明されてしまったようなものだ。

例えば、私が尊敬するある投資家は、10年も前から風力発電に力を入れてきた。

10年前は「そんな風力発電なんかが流行るわけない!」と、散々言われてきたらしいが、今この時代になって、環境問題が取り上げられ風力発電はなくてはならないものになっている。

しかし、今から風力発電を始めようと考える人は星の数ほどいるので、今からやっても儲からない。市場はすでに飽和状態にある。投資するには、流行になってからでは、すでに遅いのである。

「これが儲かりそうだ!」
と情報が出てきたときには、そこはすでに飽和状態なのである。

ITバブルのときもそうだった。
「これからITが来そうだ!」という情報が一般に流れるようになったときには、すでにその世界は飽和状態であったのだ。

投資とは、そういうものだ。自分の目に見えるモノ、聞こえるコト、それだけを気にしたって何も始まらない。

大事なのは、時代の流れを読み、先の時代を見ること。そして、そういう世界に関わる人たちと関係を持つことなのだ。価値ある情報は人づてでしか流れない。

目に見えないモノ、そんなはずはない!と思わせるモノほど、大事なのだ。本当の投資についてもまたいずれ書こうと思う。

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