人口構造の急速な成熟化

年度末でもあることなので、最近学校に行っている。
きちんと授業に出てみると、学ぶ心深ければ師は姿を現すという格言を
再認識させられた。
先日、国際経営戦略の授業で「人口構造の急速な成熟化」についての
考察を伺った。20世紀はどのような世紀であったか?
日本に限って言えば、人口を3倍にした100年であったともいえると。
詳しくは、超シリーズの野口悠紀雄氏の連載をお読みいただけると
上手にまとまっている。
■今後は減少する日本の人口
■今後進展する異常な高齢化
2006年に、日本は総人口のピークを迎える。我々は、日本人がもっとも多く存在した
時代の目撃者なのである。それを境に、毎年平均60万人ずつ人口が減っていく。
60万人とは、鹿児島県の人口と同じであるという。毎年鹿児島人に相当する人口が
日本から消えていくようになるわけである。そして、2050年には総人口で1億人を
割ってしまう。かつ、そのうち4割が60歳以上の老人となるというのだ。
総人口のピークは2006年だが、日本の生産年齢人口は1995年の8716万人が
ピークであったのだ。
「国立社会保障・人口問題研究所の予測によると、日本の生産年齢人口は、
2020年には7445万人となり、95年に比べて1271万人も減る。2050年には
5389万人となり、95年に比べて実に3228万人も減る。これは、95年の6割
程度の水準でしかない」超リタイア法より
労働人口が大幅に減っていくのだ。授業では、移民受け入れとロボット化が
必須になっていくのではないかと語っていた。野口氏は、製造業は海外移転で
まかなえるが、サービス業の労働力不足が深刻化するだろうと予測する。
お隣の中国では、今後も人口は増え続け、日本対中国の人口比が
1:10であったのが、1:17になっていくとのことだ。サービス業の労働力は
中国から輸入されるのではないかと野口氏も語っている。
人類が一度も経験したことがない、高齢化のために歴史の先例に学べない。
かつて、ローマは現在のアメリカ合衆国のように開国解放政策によって1千年栄え、
ベネツィア共和国は鎖国政策で1千年栄えた。どの方策も採ろうとも、隆盛したから
には衰退は必定だと、塩野七生氏はいう。寿命を延ばすには、有能な指導者を
育成することだと彼女はいう。
のんびり老後は引退などといってはいられないのが現状だ。将来に備えて
布石を打たねば、企業も人も、勿論日本も相当苦労しそうである。
42歳寿命説という本が、以前ベストセラーしていたが、今となってはそれが実現したほうが
苦労少ないのではないかと思うのは皮肉である。

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