心のあっち向いてほい

中村天風さんの言葉
「自分の心が、ほかのものからいたぶられるのを防ぐ偉い人になら
なければ駄目よ。怒ることがあるから怒るんだ、心配なことがある
から心配だ、恐ろしいことがあるからおっかながっているんだ、で
はいけないんですよ。
なぜいけないのか。往来を歩いているとき、横から見ず知らずの奴
が飛び出してきて、いきなりあなた方の耳を引っ張ったり、鼻をつ
まんであっち向け、こっち向けって言われたら、あなた方、礼を言
う?ありがとうござんす、ご親切にって。
怒るだろう。愛人がやったって怒るよ。肉体をそうさせられると怒
るくせに、心をあっちむかされ、こっち向かされして怒らないのは、
人がいいのか馬鹿なのか。人がいいんじゃない。馬鹿な方だよ。肉
体よりも心を人の自由にさせられたら、このくらい恥なことはない
ぜ。怒ることがあるから怒るんだ、心配事があるから心配だという
んじゃ、これはあっち向け、こっち向けと同じじゃないか」

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